AERA 2024年1月15日号より

 Bリーグを「NBAに次ぐ世界2位のリーグにしたい」と公言する島田慎二チェアマンは、こう語る。

「日本バスケが世界に打って出るには国内リーグ、そしてクラブの安定した経営が第一。だからこその条件設定です。さらに我々は地域創生リーグをうたっています。各クラブが地域で活動するのはもちろん、ハードのアリーナを通してイベントの誘致など関係交流人口を増やし、地域経済の活性化のきっかけもつくりたい。地域格差は当然あるし、目標は高く設定しているが、頑張ればクリアできるラインを引いていますし、そのサポートをする熱意もリーグにはある。地域格差は言い訳にせずやっていこうと全クラブの社長と合意して進めています」

島田慎二(しまだ・しんじ)/1970年生まれ。千葉ジェッツの運営会社社長を経て、2020年にBリーグチェアマンに就任。日本バスケットボール協会副会長も務める(撮影/編集部・秦正理)

 島田さん自身、チェアマン就任(20年)以前は経営者として、経営不振で存続が危ぶまれていた千葉Jを立て直し、強豪クラブに育て上げた。クラブ経営の神髄はわかっている。クラブから要請があれば個別に支援もする。そして、Bリーグでは数カ月に一度、各クラブが集客やメディア戦略、スポンサーセールスなど取り組みの成功事例を持ち寄り、共有している。

「ビジネスにおいては共闘し、コート上では戦う。相対的に業界が発展すればリーグとしても稼げます。リーグが稼げればクラブへの配分金も多くなる。みんなで成長しようという空気はBリーグの強みです」

 事実、昨季は17のクラブがプレミア参入条件の売上高をクリアしている。平均入場者数は都市部のビッグクラブはもちろん、人口の少ない秋田や島根も地域の体育館をホームに4千人をクリアしつつある。(編集部・秦正理)

AERA 2024年1月15日号より抜粋

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