林:『ガラスの仮面』のマヤちゃんみたい。すいません、古い話で(笑)。「青天を衝け」では、徳川慶喜の正妻の美賀君の役でしたよね。私、慶喜の伝記(『正妻 慶喜と美賀子』)を書いたことがあるからわかりますけど、美賀子さんって公家から来てるから、武家の人とは所作も違うし、大変だったと思いますよ。でも、気品があって公家出身の奥方の雰囲気が出ていて、あの役にぴったりでした。着物の所作とか習ったんですか。
川栄:はい。指導の先生に厳しめに、何度も怒られながら(笑)。
林:きょう川栄さんにお目にかかったら、「ひなた」とは違って、陰影をたたえた大人の女性なので、これからいろんな役ができそうですね。
川栄:いろんな役ができたらいいなと思います。いままで女子高生とか若い元気な役が多かったので、いま、27歳なんですけど、30代からは大人っぽい役とかもやってみたいなと思います。
林:この分だったら舞台もぜんぜんオッケーじゃないですか。
川栄:でも、舞台と映像はぜんぜん違うなって思います。舞台も何度か出させてもらったんですが、生のお芝居ってその一回が勝負じゃないですか。舞台はけっこう緊張しますね。
林:でも、またやってみたいと思ってます?
川栄:そうですね。機会があればやりたいなと思います。
林:ひとつの作品が終わると、またすぐ次のお仕事に入っていけるタイプですか。
川栄:そうですね。切り替えがけっこう速くて、「このお仕事終わった。おしまい!」という性格なので、次に、次に、というタイプではありますね。
林:「朝ドラ」と大河という二つの望みがかなっちゃって、次の目標は何にしますか。
川栄:私、ドラマに出させてもらうことは多いんですけど、映画ってそんなにたくさん出ていないので、映画にたくさん出たいなという夢がまだ一つ残ってます。
林:じゃ、次は日本アカデミー賞ですね。きっとすぐかなうと思いますよ。日本全国の人をこれだけ感動させたんだから。
川栄:頑張ります!
(構成/本誌・直木詩帆 編集協力/一木俊雄)
※週刊朝日 2022年3月25日号より抜粋