一方のビシエドは2018年に首位打者と最多安打のタイトルを獲得し、現役の外国人選手では圧倒的にトップの通算1003安打を誇る球団の歴史に残る“優良外国人”だ。しかし昨年は開幕から調子が上がらず、77安打、6本塁打と来日以来最低の成績に終わっている。このオフにチームは巨人を自由契約となった中田翔と中島宏之が加入しており、ファーストのレギュラー争いは厳しくなっている。ただ昨シーズン中に国内フリーエージェント権を取得し、今年から日本人選手扱いになることは本人にとって大きな追い風となるはずだ。本人も名古屋での生活に愛着を持っているとのことだけに、今年は奮起に期待したい。
1月9日時点ではバウアーなど他にも去就が決まっていないものの、NPB経験があって実力は十分な選手はまだまだ存在している。開幕までに彼らがどんな決断をくだすかにも注目だ。(文・西尾典文)
西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。