ストレートは140キロ台後半と外国人選手としては目立つようなスピードはないものの、49回を投げて与えた四球はわずかに3個と制球力は非常に高いのが魅力だ。スライダー、スプリットなど速い変化球は悪くないだけに、緩急を使えるようになればより安定感が増す可能性は高い。オリックスは若手に楽しみな投手は多いものの、山本由伸(ポスティングシステムでドジャースに移籍)、山崎福也(フリー・エージェントで日本ハムに移籍)と2人のローテーション投手が抜けているだけに、カスティーヨにも先発としてチャンスが与えられる可能性は高い。
リリーフ投手で期待が大きいのが阪神から巨人に移籍するカイル・ケラーだ。一昨年は開幕から抑えとして失敗を重ねたものの、シーズン途中から中継ぎに転向して活躍。昨年は家庭の事情で8月に帰国してそのまま退団となり、登板数こそ減らしたが、27試合で1勝1セーブ8ホールド、防御率1.71と安定した成績を残した。ストレートは150キロ台中盤をマークすることも珍しくなく、数字に見合った威力がある。変化球ではブレーキ抜群のカーブに加えて、来日してからスプリットをマスターしたことで投球の幅も広がった。来日2年で59回を投げて74奪三振をマークしており、三振を奪えるのも大きな魅力だ。コンディションさえ問題なければ勝ちパターンでの中継ぎ、場合によっては抑えを任されることも十分に考えられるだろう。
所属チームに残留となったものの、今シーズンが正念場となりそうなのがオースティン(DeNA)とビシエド(中日)の2人だ。オースティンは来日1年目の2020年に65試合の出場で20本塁打を放ち、翌年も28本塁打と活躍したが、その後はケガで長期離脱。昨年もオフに受けた右肘の手術の影響で出遅れ、来日以来初となるホームラン0本に終わった。ソトが退団しただけにこれまで以上にかかる期待は大きいが、今年もケガで満足にプレーできないようであれば、さすがに球団側も契約を延長する可能性は低いだろう。