一方、不飽和脂肪酸は常温で液体の油で、時間とともに酸化しやすい性質があります。ただし、オリーブオイルにはオメガ9のオレイン酸やポリフェノール類が多く含まれ、液体でありながら酸化しにくいと言われています。植物油脂の中では、最近話題の米油も、オレイン酸を40%程度含んでおり、比較的酸化に対して強い油と言えそうです。
また、体内の炎症を抑えるという点では、なんといってもオメガ3脂肪酸です。青魚に含まれる魚油がオメガ3のEPA・DHAを豊富に含んでいます。エゴマ油や亜麻仁油に含まれるαリノレン酸も同じオメガ3です。これらは体内でEPAやDHAに変化すると考えられますが、これは代謝酵素を持つかどうかによって個人差もあるようです。加熱によって酸化しやすいため、できるだけ生で摂るのが理想です。
紅花油、コーン油、大豆油、ごま油などはオメガ6脂肪酸で、よほど偏った食事を続けない限りは十分足りているはずですので、むしろ過剰摂取に気をつけるべきです。オメガ6の過剰摂取は炎症を促進してしまいます。悪玉コレステロールを増やすだけでなく善玉コレステロールも減らすことが指摘されており、注意が必要です。風味付けに少量使う油にするほうがよいでしょう。