Xさんは、取り調べの終わりに特捜部の検事から、
「国会が終わればすぐに議員に事情聴取をしますから、連絡がつくように」
と言われたという。
13日で臨時国会が終わり、年明け1月末の通常国会までは何もない。その間に集中して議員本人を取り調べるのが特捜部の方針とみられる。
「安倍派だけで20人、30人は取り調べになる予定。拒否すれば強制的に、ということになるので、応じるしかないと思う」(捜査関係者)
全国の地検から応援で30人ほどの検事が集結しているという。
年末年始は田舎には帰れない
Xさんは、
「うちの議員もいつ調べられるかわかりません。年末年始は田舎に帰るのはやめました」
パーティー券のノルマ超えを政治資金収支報告書に記載せず、裏金にしていた安倍派。直近5年間で大野泰正参院議員が5千万円超、池田佳隆衆院議員と谷川弥一衆院議員が4千万円超、元五輪担当相の橋本聖子参院議員が約2千万円と巨額のキックバックを不記載にしていた疑いが出ている。
安倍派5人衆の松野博一官房長官、高木毅国会対策委員長、世耕弘成参院幹事長がそれぞれ1千万円超、西村康稔経済産業相が約100万円などと報じられている。萩生田光一政調会長は数百万円とされる。
前出の安倍派の元幹部は、
「5人衆は連日、弁護士に相談したり、夜な夜な情報交換をしたりしています。最初は『更迭なんて受け入れられない』と強気だったが、あまりに特捜部の証拠や情報収集がしっかりしているので、今では『派閥が割れないように結束を』という弱気な声ばかりです。そんななかで、キックバックが5人衆で最も少ないとされる西村氏が『事務総長のとき、このようなキックバックはまずいと思ってやめようとしていた』と言って、ひんしゅくを買っていました。要は、法に触れかねないことをわかっていた裏返しになる」
と話し、こう続けた。
「一部の議員がキックバック分を政治資金収支報告書で訂正すると言ったときも、5人衆から『認めることになる』と待ったがかかっていた。だが特捜部は、キックバック分を政治資金収支報告書に書くなと派閥で指示していたことを把握している。調べられた秘書もそれで調書を取られているのでしょうがないんですがね」