メーガンさん(写真/アフロ)

 ヘンリー王子(39)とメーガンさん(42)の代弁者とされる王室記者オミド・スコビー氏(42)が出版した暴露本『エンドゲーム』。内容に関して激震が続く。

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 メーガンさんは妊娠中、生まれる子どもの肌の色を懸念する声が王室内であったと、2021年、オプラ・ウィンフリー氏のインタビュー内で発言した。当時は、エリザベス女王が「記憶とは幅があるもの」とたしなめる名言を吐いて、その場は収まった。

 しかし、スコビー氏は蒸し返す。騒然となったのは、『エンドゲーム』オランダ語版に人種差別者としてチャールズ国王(75)とキャサリン皇太子妃(41)の名前が挙がっていたためだ。オランダではことの重大さを察して書店はいっせいに撤去したが、書評家などにはすでに発送済みだった。

 犯人捜しがすぐに始まった。

 疑われたのはオランダの翻訳者であったが、「プロとしての仕事をしただけ。目の前にある英語をオランダ語に訳した」ときっぱり書き加えを否定した。オランダの出版社も翻訳者を支持。イギリスから受け取った本には、すでに実名が記載されていたと証言した。追い詰められたスコビー氏は、「初期の草稿には名前を書いた。それがオランダに渡ったのだ」と苦しい弁明だった。しかも「電光石火の速さで仕上げたので(ミスが出たのかもしれない)」と付け加えた。しかし、彼が「新しい本を執筆中」とX(旧Twitter)で発表したのは昨年7月。時間はたっぷりあったはずだ。

ヘンリー王子の訴えは「警備」

 こうしたトラブルが影響してか本の売れ行きが悪い。デイリーメール紙によると、発売から5日間でイギリスではわずか6448部しか売れなかった。同じくスコビー氏によるヘンリー王子夫妻についての暴露本『自由を求めて』は同じ日数で3万1000部だった。夫妻が暮らす米モンテシートの書店には、そもそも本が置かれていないことも判明した。

 ヘンリー王子の対応が注目された。父親を人種差別者と明記されたことに抗議して、裁判に持ち込まないのか。しかし王子が代わりに訴えたのは、自分たちの警備についてだった。イギリス滞在中は警察警備が付かないと安全が守られないと主張する。「自分は王室離脱を強いられたのだから、警備されて当然だ」と言ってのける。

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多賀幹子

多賀幹子

お茶の水女子大学文教育学部卒業。東京都生まれ。企業広報誌の編集長を経てジャーナリストに。女性、教育、王室などをテーマに取材。執筆活動のほか、テレビ出演、講演活動などを行う。著書に『英国女王が伝授する70歳からの品格』『親たちの暴走』など

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