メジャーリーグや韓国、台湾のプロ野球を経由したが生え抜きと言える高津臣吾監督はファンに愛されている。青木も米国でもプレーしたが、同じようにチームの顔として長年プレーした。実質生え抜きなだけに引退後チームにどう関わるのか早くも注目されている。

「井口資仁氏(ロッテ)や高橋由伸氏(巨人)など、現役引退後すぐに監督に就任する流れもあったが結果につながらないケースが目立つ。青木の場合も即監督就任というのは考えにくい」(スポーツマネージメント会社関係者)

ヤクルトには池山隆寛二軍監督を筆頭に次期監督候補が多い。青木が監督を目指す場合には、二軍コーチから地道に指導者の勉強を始めた方が名監督への近道にもなるはず」(ヤクルト担当記者)

 青木が将来の監督候補であることは誰もが認めるところ。しかしまずは選手としてBクラスへ急降下したチームの立て直しのためプレーで引っ張る必要がある。

「バットに当てる技術は芸術的で打撃練習が始まると多くの選手が見入るほど。来季もチームにいてくれるのは本当に心強い。青木がいる間にもう一度頂点に立ちたい気持ちを誰もが持っている」(ヤクルト関係者)

 契約更改時には優勝後の「表参道パレード」を要望したという。プロ21年目、1年契約で勝負するバットマンは安打を積み重ねチームを勝たせることしか考えていないのだろう。現役引退後のことも気になるが、まずは来季どのような活躍を見せるかに注目したい。

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