老後のお金が心配、という話を頻繁に耳にするようになって久しい昨今。誰もが大金持ちになりたいわけではないとは言え、まずは2千万円というまことしやかな数字が出てから、老後のイメージは暗くなるばかりです。それを無視することはできないけれど、資産=豊かな老後とは限らないのも事実。高齢の参加者を見るたびに、私は思います。
お金があろうがなかろうが、好奇心や行動力を失ったら、毎日をつつがなく暮らしていくのが難しくなる予感があるのです。いまの私は、それらを原動力に生きているから。
食うに困るのは避けたいものの、莫大な資産があっても当の本人が興味も好奇心も失くしてしまったら、ソファに寝転がって日がなテレビを観ているしかなくなってしまう。それは厳しいなあ。
無料参加を実現するには自治体に予算が必要です。私は納得できる講演料をいただいておりますが、どこも潤沢に予算があるわけではないでしょう。私が老人になった頃には、こういった催しはなくなってしまうかもしれない。図書館だって、あやうい。
税収とその使い道、よく見張ってないと老後がつまんなくなっちゃうかもな。
※AERA 2023年12月18日号