企業の語学研修などで社員の学習の習慣化をサポートしているWizWe総研の丹野宏昭主任研究員は、こう言う。

「習慣を作るのはすごく苦労します。それをサポートしている側からすると、せっかくできているよい習慣が消えてしまう可能性があるので、本当にもったいないと思います」

「習慣も消える、かも」

 丹野主任研究員によると、英語学習の手段として番組を聞いていた人は、比較的ほかの手段に移りやすいという。厄介なのは、ラジオ第2を聞くことが習慣になっている人だ。

「一つは『番組ロス』が起きる可能性があります。これは時間が解決してくれますが、心配なのは長期間の習慣化で、番組を聞くことが『自動化』されている人たちです。意外と何も起きずに、つきものが落ちたように、さっぱり習慣が消えてしまう可能性もありますよ」

 確かに、手段として学習ツールを考えている人は強いようだ。

 四国で大学受験の英語を教えている勝浦郡章さん(72)は、毎朝、「オンライン英会話」に取り組んでもう7年になる。

「オンライン英会話」とは、海の向こうのネイティブとネット上で英会話を勉強する学習法を指す。多くの企業がビジネスとして展開し、東証に上場している会社もある。

「時差が少ないので私はフィリピン人の先生と毎朝8時から25分間、会話をしています」(勝浦さん)

 毎日、課題が出るので、その英文をじっくり読み込み、関連事項を調べるなど1時間半ぐらい準備したうえで会話に臨む。

お金を払って予約しているから、絶対に休まないことにしています。そうです、オンライン英会話をNHKのラジオ代わりにして『習慣化』しているのです」(同)

 一本化まで、あと2年数カ月。ラジオ第2を聞く習慣のある人は、朝、聞けなくなった時の対策を考え始めたほうがいいのかもしれない。(編集部・首藤由之)

AERA 2023年12月11日号より抜粋

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