NHKラジオのテキストが並ぶ書店店頭。英語はもちろん、ハングルからアラビア語まで幅広い語学を学ぶことができる=2023年11月、東京都中央区の銀座堂書店朝日新聞本社店(撮影/写真映像部・和仁貢介)
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 NHKはAMのラジオ第1と第2を2026年度から一本化する構想を打ち出した。朝の時間帯の語学番組の存続の行方は。学習手段としてのラジオの位置づけの変化を専門家に聞いた。AERA2023年12月11日号より。

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 ネット上には膨大な英語学習サイトがあり、YouTubeにも学習動画がズラリ並ぶ。学習手段が数多くあるため、NHKラジオの番組が昔のように「入り口」になることが少なくなっている、との見方が多いのだ。

 例えば、スマホのアプリでも英語向けのさまざまなものが出ている。発音の練習ができるもの、本の内容を学習できるようにしたもの……。

「利用者はやはり20、30代が多い。電車に乗っているすき間時間を利用したりして勉強しているようですよ」(神田外語大学・神崎正哉准教授)

 ある書籍編集者によると、英語学習本の世界でも“NHK講師”の権威は落ちているそうだ。

「昔はNHKラジオの先生の本というとヒットしたものですが、今は何の関係もありません。かえって人気のユーチューバーの本の方が話題になります」

 そして、語学学習の分野でも「AI」の活用が次の焦点になっている。神崎准教授によると、すでにテキストレベルでは完成の域に達しているのだそうだ。

「学習者が作った英作文を提出すれば、ここの文法がおかしい、この単語は間違っているなどをAIが瞬時に添削し、なぜおかしいのか理由まで教えてくれます。同じことを会話でできないかが今の勝負になっています」

 それが成功する時は、英会話の「先生」がいらなくなり始める時だ。英語学習も何とも恐ろしい世界に入りつつあるが、ともあれ学習方法は激しく多様化している。毎朝ラジオに向かって語学を勉強している、などと言う姿は「消えゆく昭和」なのだ。

 しかし、少数派かもしれないが、「習慣」として聞いている人もいる。「毎日」「定時」に番組を聞くことで英語学習を「習慣」にしていた人たちは、どうなってしまうのか。

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