改修を終えた赤坂御用地にある秋篠宮邸、第三応接室=2022年11月、東京都港区元赤坂

 秋篠宮さまは、佳子さまの「ひとり暮らし」を公表しなかった理由について「セキュリティ」を挙げた。しかし、どの皇族がどの宮邸や施設に住んでいるかは、理由とともに公表されている。

 たとえば寛仁親王妃の信子さまは、三笠宮邸ではなく、東京・千鳥ケ淵にある旧宮内庁長官公邸だった宮内庁分庁舎で2008年から暮らしている。宮内庁は主治医の見解とともに、「直接宮邸にお戻りになると、ストレス性ぜんそくの再発の恐れがある」と理由を公表している。

 佳子さまは、改修工事中の仮住まいであった分室(旧御仮寓所)に暮らし続けていた。

 秋篠宮さまは「「この家のどこに誰が住んでいるということは、もともと公表していない」と主張した。しかし、佳子さまについては、宮邸ではなく別の建物で「ひとり暮らし」を続けていたことを指摘されているのだ。

 前出の関係者もため息をつく。

「秋篠宮さまとしては、佳子さまが暮らす旧御仮寓所も宮邸の一部というお考えなのでしょう。だから『分室』という名称にしているのでしょうが……。抽象的な内容に終始し、消化不良の会見に終わった感は否めない。国民は、ごまかされたという思いを抱いたのではないか」
 

隠していると思われても仕方ない

 元宮内庁職員で皇室解説者の山下晋司さんは、この問題をめぐって不可解な点が多いと首をかしげる。 

「宮内庁の概算要求書でも、皇嗣職の事務棟などの新築工事が『赤坂御用地東地区周辺整備』となっており、秋篠宮家に関連する施設とはわからないような名称を用いています。意図的にわかりづらくして、全体像を隠そうとしていると思われても仕方がありません」

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「秋篠宮さまは把握していないのでは?」