改修を終えた赤坂御用地にある秋篠宮邸の大食堂=2022年11月、東京都港区元赤坂

 しかし、佳子さまの「ひとり暮らし」は当初公表されておらず、女性週刊誌などの報道が先行。宮内庁は旧御仮寓所に「私室部分の機能も一部残す」と説明していたが、6月末に秋篠宮家の側近である加地隆治・皇嗣職大夫が、

「増改築工事にあたり、もともと秋篠宮邸に佳子さまの私室は造られていなかった」

 と、佳子さまの「ひとり暮らし」を認めることになった。

 また、眞子さまや佳子さまの私室を作らないことで「経費削減」になるとの説明だったが、実際にどれだけ削減できたのか、具体的な額は明らかにされてこなかった。

 宮邸の工事はすでに終わり、「御仮寓所」は「旧御仮寓所」もしくは「分室」と呼ばれている。鉄筋コンクリート造りの3階建てで、延べ床面積は約1378平方メートル。居間や食堂のほか、応接室や執務室、職員の事務室などがある。皇嗣職職員の一部が事務室として使うほか、佳子さまが私室部分に住んでいる。

 どれだけ「経費削減」できたのか、そして佳子さまが「ひとり暮らし」を始めた理由についての説明はないまま、今回の秋篠宮さまの誕生日会見に注目が集まることになった。
 

「国民は、ごまかされたという思い」

 そんななか、秋篠宮さまの誕生日会見の直前の11月22日、宮内庁の西村泰彦長官は定例会見で、唐突に宮邸の改修工事についての説明をした。

 増築された部分の約66%が事務部分であり、私室部分はほとんど増加していないという内容で、

「宮内庁の判断で整備した部分の工事費が結果的に高額になってしまい、工事費用を抑えたいという両殿下のお気持ちに十分お応えできなかった」

 と、秋篠宮ご夫妻を擁護した。しかし、事情に詳しい関係者も、

「本来であれば、皇嗣職大夫が行うべき話だが、皇嗣職では用をなさなかったということでしょう。いずれにせよも、中身はゼロに等しい内容だった」

 と手厳しく評価する内容だった。
 

会見する秋篠宮さま=宮内庁提供

 そして秋篠宮さまも、記者会見で「反省」を口にしたものの、新たに示された事実はほぼない内容で終わった。
 

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消化不良で終わった会見