12月公開の映画「隣人X -疑惑の彼女-」で初共演した上野樹里さん、林遣都さん。お互いの印象や撮影現場での心境の変化を語った。AERA 2023年12月4日号より。
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“故郷”を追われた「惑星難民X」の受け入れにより、「誰がXか?」と疑心暗鬼になる社会を描いた映画「隣人X -疑惑の彼女-」(12月1日公開)。突如、Xの疑惑をかけられる女性を上野樹里さんが、Xの真実を追う週刊誌記者を林遣都さんが演じた。
──お互いの第一印象と、実際の印象について教えてください。
上野樹里(以下、上野):遣都くんのイメージは「まじめそう」でしたが、実際にその通りでした。私が撮影会場に着いた時に涼しい顔をして待っている姿を見た時、「だいぶ前に来て準備をしていたのだな」と思いました。リハーサル時、何もない部屋で演技をしていても、後ろにマンションなどの背景が目に浮かぶほどで、演技力と身体能力の高さに驚きましたね。
“不溶性”を感じられた
林遣都(以下、林):樹里さんは、僕からしたら、俳優としても人間としても理想的な方でした。共演中に映画の話をしていると、途中から自然と人生相談の話になっていることも(笑)。
上野:「俳優としてこれからどう生きていけばいいか」とかね(笑)。
林:すごく恥ずかしくて詳しい内容は話せないんですけど(苦笑)。共演を通して、自分を見つめ直すことができました。今日は久しぶりにお会いしましたが、パワーをもらえて、心が洗われる感覚を味わっています。生き方、考え方、仕事に向き合う姿勢のすべてを尊敬しています。
上野:遣都くんが演じた週刊誌記者の笹憲太郎は、常に目の前のことに追われています。遣都くんも、同じようなスピード感で生きている人だと思います。でも、自分の足でしっかりと立ち、魂を売らずに、妥協せずに生きている人だと、撮影を通して思いました。自分自身と厳しく向き合ってきたからこそ今がある人なんだなと。良い意味で“不溶性”を感じられたことが、共演して面白いと感じた点です。