時速数十キロというスピードで移動しながら、周囲の状況を見て的確に判断していかなければたちまち事故につながってしまいます。
こうした「運転」というタスクは、従来は人間にしか行えないものでしたが、近年になってAIが代わりに運転してくれる自動運転車の研究開発が進んでいます。この、自動運転車に搭載されているAIにはベイズ統計学が応用されています。
自動運転は、車間距離や歩行者の動きなど次々と入ってくる新しいデータを学習しながら判断(=運転)していく必要があるので、ベイズ統計学と相性がよい分野なのです。
車間距離を保ちつつ、対向車線にはみ出さないよう安全に走行するために必要なのは、車体の現在位置の正確な把握です。
自動運転車には、ビデオカメラやレーザー・レーダー(レーザーを使って障害物を検知する機器)など、周囲の状況を感知できるいろいろな種類のセンサーが搭載されていて、車に内蔵されているAIがそれらのセンサーから届けられる情報をもとに車体の現在位置を把握しています。
GPS(全地球測位システム)の位置情報も利用していますが、あくまでセンサーからの情報が主役でGPSは脇役です。