フランス軍の陣営をひとりで訪れたジャンヌは、お告げのことを兵士に伝えましたが、16歳の少女の話は信用されず、最初は追い返されます。それでも、ジャンヌの必死の訴えで王太子への面会がゆるされました。この時、王太子はジャンヌが本当に神の使いであるか試すために、兵士のひとりに扮して隠れていました。ジャンヌは兵士の中に並ぶ王太子に迷わず歩み寄り話しかけたと伝えられています。

 フランス軍にとって防衛の最後の砦であるオルレアンの城はイギリス軍に包囲されていました。オルレアンが陥落すれば、フランス軍の敗北は確定します。王太子はジャンヌに賭け、彼女に甲冑を着せて出陣させました。

「わたしたちには神様のご加護があります。決して負けることはありません!」

 旗を掲げてフランス軍の最前線を突進する勇ましい甲冑の少女に、兵士たちは大いに鼓舞されました。この時、敵の的となったジャンヌの胸に矢が命中したものの、大怪我には至らず彼女がすぐに復帰したことも、さらに軍を高揚させました。

「ジャンヌは、まことに神より選ばれし乙女!主のご加護は、われらにある!」

 神の加護を確信した兵士たちは、オルレアン城を包囲していたイギリス軍を怒涛の勢いで撃破することに成功します。その後もジャンヌを先頭に立てたフランス軍は連戦連勝し、劣勢を覆しました。王太子が即位して新国王シャルル7世となった時、功労者のジャンヌは国王の側近としてとなりに控える特別待遇をゆるされたほどでした。

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