ジャンヌは、その勢いのままパリ奪還を目標にしていましたが、イギリス軍に捕らえられ、監禁されます。宗教裁判にかけられたジャンヌは、天使のお告げは錯覚であったと証言するように強要されますが、拒んだため魔女として1431年5月30日に火刑に処され、その遺灰はセーヌ川に棄てられました。当時のキリスト教では、生前の遺体が遺されていないと、この世の終末に待つ「最後の審判」の時に復活できないと信じられていたので、火刑も遺灰の廃棄も、クリスチャンにとっては究極の罰でした。
1453年、フランスの逆転勝利で百年戦争が終結すると、ジャンヌこそ最大の戦功者だったと彼女を再評価する声が高まります。1456年の裁判で「ジャンヌは無罪であった」と生前の判決が覆された時、彼女の死から四半世紀が経過していました。ジャンヌは1920年に列聖され、今ではフランスの守護聖人と見なされています。