中国は最大の造船国だから新鋭の1万t級の巡洋艦7隻、駆逐艦42隻、フリゲート(小型の駆逐艦)41隻、計約90隻を持っている。それに対しアメリカ海軍は巡洋艦19隻、駆逐艦70隻、フリゲート41隻、計130隻で、その約半分が太平洋にいるから拮抗するが、空母と原子力潜水艦の戦力では大差がある。

 対潜水艦哨戒機はアメリカ海軍が126機、海上自衛隊が77機保有するのに対し、中国は20機しかない。海上自衛隊は軽空母「いずも型」(2万t)2隻、ヘリ空母「ひゅうが型」(1万4000t)2隻、駆逐艦・フリゲート42隻、潜水艦22隻を持ち練度は高いから、もし日本が参戦すればアメリカ海軍にとり最大の友軍になる。

米中戦争はベトナム戦争どころではない

 現実を考えれば、もしアメリカ軍などが中国軍の台湾上陸部隊の一部を海上で阻止、上陸した中国兵を捕虜にしたとしても、それで戦争が終わるわけではない。中国軍は台湾に布陣したアメリカ軍をミサイル、航空機により攻撃し、特殊部隊を潜入させるだろう。台湾の保守派「国民党」は独立反対で大陸との関係を重視している。アメリカ軍が台湾から去れば統一に向かいかねず、アメリカ軍はすぐに引き揚げることはできないだろう。

 CSISの机上演習は「中国本土は攻撃しない」ことを前提としている。戦争をアメリカ軍勝利で終結させるには、たぶん首都北京や上海、広州などの要衝を攻撃、確保する必要があるだろうが、アメリカ軍が中国本土に侵攻して勝つ公算は低い。

 万一、北京が占領されても、内陸に政府を移す奥の手が中国にはある。日中戦争で日本軍は重慶に籠った蒋介石の中国軍を制圧できなかった。

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