これが完成して中国海軍はなんとかアメリカ空母に匹敵する空母を持つことになるが、アメリカの10万t級空母11隻に対し1隻だ。空母は年間3~4か月は定期点検、修理にドックに入り、その後再訓練をして前線に出るから、3隻を持たないと常に空母1隻を出せない。

 中国が空母3隻を持ってもアメリカの空母に匹敵するのは「福建」だけだから、中国の富豪が乗る「ロールスロイス」に似たものになるかもしれない。

 一方、アメリカ海軍は10万t級の原子力空母11隻を保有、各艦が55~65機の艦載機を搭載している。11隻のうち少なくとも3隻が各60機として180機は作戦可能で、質量共に圧倒的に優位だ。

 海戦になれば主力艦はむしろ原子力潜水艦になり、空母など水上艦は潜水艦が発射する対艦ミサイルに撃破される危険が大きい。アメリカ海軍は、原子力潜水艦67隻(うち14隻は長距離核ミサイル搭載の「戦略潜水艦」、53隻は艦船攻撃用)を持つ。中国は艦船攻撃用の原潜は6隻しか持っていない。

 潜水艦が艦船を攻撃するには射程数十kmの魚雷だけではなく、射程数百kmの対艦ミサイルも使えるから、ドローンなどから敵艦の位置、針路の情報を得れば、潜水艦が空母を撃沈することもできる。原子力潜水艦に対しても音で敵を突きとめるのに潜水艦が有効だから、海戦の主力艦は常に潜航を続ける原子力潜水艦になるのではと考える。

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