中国海軍よりも圧倒的に強力なアメリカ海軍

「中国海軍の急速な増強」が語られているが、実際にはアメリカ海軍はなお圧倒的に強力だ。中国の空母「遼寧(4万6000t)」は旧ソ連がウクライナで建造中に工事中止となり、8年も放置されていたのを中国がスクラップとして購入し大連に曳航、苦心の末に2012年に完成させた。SU15戦闘機24機とヘリコプター15機を搭載可能と言われるが、発艦時に加速する「カタパルト」がないため、飛行甲板の後部から全力で滑走してやっと発艦するから多くの戦闘機が次々に発艦できない。重い増加燃料タンクや爆弾、ミサイルを多く付けると浮き上がらないから、戦闘能力は乏しい。ロシア海軍には姉妹艦1隻があるが、近年出港していない。

「遼寧」を基礎に改良、国産した2隻目の空母「山東(5万t)」は2019年に完成。戦闘機35機などを積めるとされるが、これもカタパルトがないから、実戦の能力は怪しい。

 3隻目の空母「福建」は、2022年6月に進水、強力なリニアモーターを使う電磁式カタパルトを付け、7万1000tの大型だ。ただ電磁式カタパルトは大量の電力を要するためアメリカの最新鋭空母「ジェラルド・フォード」も技術的に苦心したから、それを中国が順調に実用化できるか否か注目されている。

暮らしとモノ班 for promotion
「Amazonブラックフライデー」週末にみんなは何買った?売れ筋から効率よくイイモノをチェックしよう
次のページ
海軍の主力は原子力潜水艦