つまり、今手元にあるデータだけで、あるいはデータ全部そろえたところで、分析を始めるわけです。
一方、ベイズ統計学では、既存のデータによる分析結果をもとにした上で、新しく来たデータを使ってその分析結果をアップデートするという考え方を取ります。
つまり、新しくデータが足されていくような場合にもうまく対応しているということです。そのためベイズ統計学は、新しいデータが次々と生み出されるビッグデータ時代に非常にマッチしています。
もともと理論自体は古くから完成していましたし、応用の可能性も専門家の中では認識されていたのですが、先ほど説明したように計算が大変なのが難点でした。それがコンピューターの発展と共に膨大な計算が素早く行えるようになったため、一気に実用化が進んだのです。
インターネットの検索エンジン、迷惑メールフィルタ、AIによる自動運転、お客さんが商品を買う確率の予測、がん検査など、いくつもの分野でベイズ統計学が応用されています。