歌手としても活動するカウアンさん

母親は「肝っ玉かあさん」みたい

 その意味するところは、ジャニー氏に対して心境の変化があったということか。

「これは何度も言っていますが、僕はもう、赦しているから。それは(ジャニー氏を)受け入れる方の”許す”ではなくて、自分が相手を憎まない方の”赦す”で『ありがとう、もういいよ』ということなんです。つらいことがあったけど、ありがとうだけではないし、もういいよだけでもない。だから、『ありがとう、もういいよ』という気持ちなんです」

 カウアンさんは1996年5月24日、愛知県豊橋市で生まれた。両親とも日系ブラジル人3世。父親も母親も別々に出稼ぎのために18歳で来日し、日本で知り合って結婚。カウアンさんが生まれた。

 両親はポルトガル語しか話せず、日本語がわからなかったため、カウアンさんも幼少期はポルトガル語しか話せなかった。3歳の時、幼稚園に入ってから日本語を覚えたという。母親は厳しい人だった。遊び仲間と夜中まで遊んでいると、よく叱られたという。

「お母さんから『あなたがまだヤンチャしたいんだったら、私を殺してからじゃないと無理よ』と言われたこともありました。愛情がすごいんですよ。日本で言うと、『肝っ玉かあさん』みたいな感じです」

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