放送作家の鈴木おさむさん

 鈴木おさむさんが、今を生きる同世代の方々におくる連載『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回は、映画「ゴジラ-1.0」について。

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 ようやく話題の映画「ゴジラ-1.0」を見ました。これまで沢山のゴジラ映画が作られてきて、「シンゴジラ」を見たときに、「もう、このアプローチでゴジラを作ったら、このあと日本でゴジラを作ることは出来ないだろう」と思っていました。「もしも本当にゴジラが日本に来たら」という究極のシミュレーションムービーだった「シンゴジラ」。

 ですが、今回の「ゴジラ-1.0」を見て、さらにアップデートされたと思いました。結論から言うと「超おもしろかった」のです。

 まず、設定が凄い。第二次大戦後、敗戦した日本。最悪の時にゴジラは出てくる。一番出てきてほしくない時に出てきてしまうんです。残存する艦隊も引き揚げ船に使われているし、駆逐艦も大砲を撤去されたものしかない。日本が軍事力を持っていない時にやってきたゴジラと戦うのは、なんと民間人。「俺たちだけでやってやる」と言わんばかりに戦う。その戦い方にもリアリティーがある。

「神感」と純粋な怖さ

 山崎貴監督はパンフレットで言っていましたが、「ゴジラってなんだろう」と問いかけたという。僕が子供時代に見たゴジラは「正義のヒーロー」になっていました。次々に来る怪獣たちをやっつける。それがシンゴジラでは「災害」的なものと捉えられていた。

 山崎監督は「ゴジラは神様と生物の両方を兼ね備えた存在というイメージがあった」と言っている。確かにゴジラはどこかに「神感」があると僕も思っていた。人間がモラルを超えてやってしまったことに対して、神が作り出してしまったもの。

 今回はその神感があるのだが、まず、純粋に「怖い」。ゴジラに対するのは圧倒的な恐怖である。さらに言うならば人間に対して、絶対的な悪。の被害が全国で起きているが、それに近い物も感じた。

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鈴木おさむ

鈴木おさむ

鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。

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