工藤:そうですね。きょうだいげんかも同じです。親はひとこと言うだけでいいんです。「明日から楽しく暮らすか、憎み合って暮らすか、どちらにするか自分たちで考えなさい」と。あとは、ほっとけばいいんですよ。
キンタロー。:そうですね。
工藤:日本の教育がおかしくなってきたのは、この30、40年くらいですよ。
キンタロー。:えっ、そうなんですか?
工藤:はい。以前は親がそれほど子どもに関わっていませんでしたし、学校の先生にも理不尽な人がたくさんいたので、先生に頼るという発想があまりなかったですね。
キンタロー。:体罰なども以前はたくさんありましたよね。
工藤:そうです。僕らの時代は何でも自分で解決しなければなりませんでした。それが良いことだとは言いませんが、今は子どもに関わりすぎるようになり、学校がサービス産業化していると感じています。授業中に寝ている生徒に先生が優しく「昨日遅かったの? 放課後、教えてあげるからおいで」と声をかけることも、全然いいことではありません。やる気を失っても、何かしてもらえると期待ばかりするようになりますから。
(構成/編集部・古田真梨子)
※AERA 2023年11月20日号より抜粋