耳の老化は自覚しにくい。「難聴が50代に始まっているのに、耳鼻科に来るのは60代の半ばぐらいになってからの人がほとんどです」と話すのは、耳鼻咽喉科・木村至信(きむら・しのぶ)さん。あなたの『耳の老化』は大丈夫だろうか? 木村さんの著書『1万人の耳の悩みを解決した医師が教える 耳鳴りと難聴のリセット法』(アスコム刊)から、耳の老化のセルフチェックを紹介する。
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『耳の老化』チェックテスト
【耳の老化チェックテスト】
- 人の話を聞き返すことが増えた
- 声が大きくなったと周りの人に言われる
- 1日3時間以上、連続でテレビでドラマなどを見ている
- 工事現場、BGMの大きな居酒屋、ライブハウスなどで働いている
- 仕事でインカムをよく使っている(使っていた)
- 1日2時間以上、連続でイヤホンやヘッドホンを着けている
- 親戚に難聴の人がいる
- 健康診断で生活習慣病を注意されたことがある
- タバコを長年吸っている
- 週3回以上お酒を飲む
- 甘いものが大好きで毎日食べる
- ストレスを感じることが多い
「テレビでドラマを見ている」「タバコを吸っている」や「甘いものが好き」など、難聴や耳鳴りとは関係なさそうなチェック項目が入っていて、意外と思う人もいるでしょう。
でも、いずれも耳の老化を進める要因です。
たとえば、お酒を飲み過ぎたり、甘いものを食べ過ぎたりする人は、血流が悪くなりやすくなります。耳周辺の血流の悪化は、耳を老化させる大きな要因になります。
このような生活習慣を長年続けると、確実に耳の老化は進みます。
ですので、もしひとつでもチェックがついたら、遠からず「耳鳴り」や「難聴」に苦しむことになる可能性が高いといえるでしょう
『耳の疲労』の予防法
目を酷使していると「目が疲れた」という実感があるでしょう。「疲れ目」という言葉もありますよね。
けれども、耳を酷使していると「耳が疲れる」ということを、多くの人は知りません。「疲れ耳」という言葉はあまり使いません。
そして、耳の疲れは「聞こえ方」に大きく影響するのです。耳鳴りの原因にもなるでしょう。
目のように閉じることができない耳だからこそ、「耳だって疲れる」。どうかそれを知って、耳が疲れ過ぎないようにいたわってあげてください。
【耳の疲労の予防法】
- テレビ(ドラマ)の視聴や、会議インカムの使用は2時間以上続けない。使用した後はしっかり休む
- イヤホンは1回1時間以内。音量は必ず下げる
- イヤホンのノイズキャンセリング機能はOKだが、長時間使ってはダメ
- 工場や工事現場などでは、できるだけ耳栓をする
- カラオケ、コンサートでは専用のライブ用耳栓があるのでぜひ活用を