1983年12月1日にシングル「15の夜」、アルバム「十七歳の地図」でデビューした尾崎豊。40周年を記念し、アルバム「十七歳の地図」の復刻アナログレコード、ライブBlu-ray「もうひとつのリアリティ LIVE+DOCUMENTARY」がリリースされるなど、再び注目が集まっている。
【写真】愛用のギター、Fender Telecaster Yellowを手にする尾崎豊さん
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10月29日に放送されたテレビ朝日「関ジャム 完全燃SHOW」では尾崎豊の特集が組まれ、音楽プロデューサーの本間昭光のほか、石崎ひゅーい、アイナ・ジ・エンド、息子である尾崎裕哉がゲスト出演。わずか8年あまりの活動で日本の音楽シーンに大きな衝撃を与えた尾崎豊の軌跡がゲスト陣のコメントとともに紹介され、X(旧ツイッター)でも「めっちゃ懐かしいなぁー まさに10代の代弁者だった」「私はリアルタイムで通ってないんだけど、涙出てきた。。。」といったコメントが多数寄せられるなど、今もなお幅広い年齢層のリスナーに愛されていることを証明した。
没後31年、デビュー40周年を迎え再注目
没後30年以上経ってなお、多くの音楽ファンに支持されている尾崎豊。その理由を改めて考えてみたい。
尾崎豊が18歳でデビューした1983年は、東京ディズニーランドがオープンし、ファミコンが発売された年。音楽シーンでは松田聖子、中森明菜、小泉今日子、近藤真彦などのアイドルが大人気だった。つまり新たなレジャーやエンタメがいろいろなジャンルで生まれていたのだ。一方で管理教育や受験戦争、校内暴力なども大きな問題になっていた。“楽しくやればいいじゃん”という享楽的なムード、そして、社会や大人たちに管理され、自由を抑圧された雰囲気。そういう分断された状況のなかで登場したのが尾崎豊だった。
アルバム「十七歳の地図」は、90年代に入ってからミリオンセールスを記録したが、リリース当時はそこまで大きな話題にならなかった。筆者は当時中学生だったが、尾崎は決してメジャーな存在ではなく、クラスの数人だけが「尾崎、知ってるの? いいよな」と話しているような“知る人ぞ知る”アーティストだったと思う。