また、今回のファクスの送付先については、
「岸田首相の事務所にまで送ってきたそうです。私の知る限り、自民党の国会議員50人くらいにファクスが届いているようです。解散命令請求が出る前後に、旧統一教会の幹部から私の携帯に電話がかかってきましたが、応答しませんでした。こんな時期に一種の脅しかと感じました」
としている。
旧統一教会は解散命令請求を受けて、記者会見を開き、「解散命令請求は、宗教法人にとっては死刑求刑に等しい」などと主張している。
旧統一教会の幹部は、
「連日、弁護士らをまじえた会議があり、どうすれば解散命令請求や財産保全から逃れられるのかという話し合いが続いている。しかし、ため息ばかり聞こえる」
と内情を少しだけ教えてくれた。
莫大な現金まで踏み込めるか
朝日ジャーナルなどで旧統一教会問題を長く追及してきたジャーナリストの有田芳生さんは、
「これまでの旧統一教会は、国会議員へのPRチームがあり、今回のファクスのような文書は、議員会館をまわって、手渡したり、議員と面談をして訴えていました。しかし、今はそれができないのでファクスを送りつけるしかないのでしょう。それでも旧統一教会の幹部からは『最後は自民党がなんとか救ってくれると思っている』という声が聞こえてきます」
と話す。
そして今後の焦点については、
「旧統一教会は、韓国の本部も含め『宗教迫害の被害者であり、憲法違反なので解散にはならない』と信者に説明しています。財産保全に関する法律ができると、旧統一教会はダメージが大きい。旧統一教会は不動産だけでなく、霊感商法などで集めた莫大な現金を保有しています。今後、現金にまで踏み込めるかが大きなポイントです」
と指摘している。
(AERA dot.編集部・今西憲之)