この猫談義も「藤井聡太」の振りと同様、ひふみんは事前に考えてきたことのようだ。囲み取材では、天皇、皇后両陛下と言葉を交わされたことに「非常に緊張してまして」といいつつも、「ある程度、どういうお話を申し上げるのかというのは、一応ね」と事前の準備をしていたそうだ。
「まぁ、将棋の話だったら藤井聡太さんのお話。それから大学、高校でも講演しているので、その時に僕はクラシック音楽が好きなんで、クラシック音楽と、あと猫のお話を申し上げた次第ですけどね。
天皇陛下、皇后陛下に申し上げるのは、これはやっぱり猫のお話してもいいのか、差し支えないかと思っておりました。それはちょっと、なんで猫なのかという感じになりますけど、天皇陛下ご一家が猫を非常に長年にわたって世話しておられますから」
ひふみんは猫のおかげで性格が!
お話し好きだと言われる天皇陛下と雅子さまの機転の利いた会話の連係プレーにより、ひふみんの猫談義もあたたかいものに包まれた感じだ。
囲み取材でひふみんは「猫と関わることで、性格がね、自分で言うのも変だけれども、心もちね性格がちょっと穏やかになった。元々の性格はね、どっちかと言うと穏やかでないタイプなんですよ」と語り、舞台裏でも猫談義は続いた。
そして、ひふみんは囲み取材の最後に「すばらしい1日でした」と締めくくった。天皇陛下と雅子さまのしなやかな対応力、そして、ひふみんの周到な準備に、人と人との会話とはこういうものであるべきだという大切さとあたたかさを感じた。
(AERA dot.編集部・太田裕子)