園遊会に出席し、将棋棋士の加藤一二三さん夫妻(右手前)と話す天皇、皇后両陛下=23年11月2日 代表撮影
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 5年ぶりの開催となった秋の園遊会。約1000人の招待者の中で、話題だったのは「ひふみん」こと将棋棋士九段の加藤一二三さん(83)の談義だろう。報道される映像では、ひふみんが、天皇、皇后両陛下に唐突に猫トークを始めたようにも切り取られてもいるが、会話の裏話にはひふみんなりの「先手」があったようだ。

【写真】思わず見惚れる「真っ直ぐ」な姿勢の雅子さまの瞬間!

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 天皇陛下雅子さまが、招待者でシンガーソングライターの松任谷由実さんとの会話を終えると、加藤一二三さん夫妻の前に立たれた。先にひふみんに「お会いできてうれしく思います」と声かけをされたのは天皇陛下だ。

 ひふみんは「ありがとうございます」と感謝の言葉に続けて、自分自身の将棋界での功績はさておき、語り出したのは前人未到のタイトル全8冠を独占した「藤井聡太」。

ひふみん:「将棋界は最近、藤井聡太さんという若手が現れまして、大変盛り上がっていて、非常にいいことだと思っています」

天皇陛下:「藤井さんは素晴らしいですね」

ひふみん:「藤井さんは21歳で、大変研究熱心で、藤井さんが活躍することによって周りの棋士も研究することになっていいことです」

天皇陛下が会話を軌道修正

 たしかに、前人未踏の偉業を成し遂げた藤井聡太はすごいが、招待者は加藤一二三さんご夫妻だ。すかさず、天皇陛下は「加藤さんも大変、本当に、将棋界のために、大変ご尽力なさって……」と、会話の軌道修正をされた。

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なぜ藤井聡太の話をした!?