それ以外にも、痛みのために十分な睡眠がとれなくて、うつになりやすくなるとか、さらには、自傷行為を引き起こす割合が増えるという報告もあります。
これらの報告は、生理痛が重い場合(月経困難症)の研究によるものではありますが、わかりやすい痛みではなくても、生理からくる体調不良によって、同じような結果が生じることは十分に考えられます。「学校に行きたくない」という理由は、必ずしも生理や女性ホルモンにまつわるトラブルとは限りませんが、その可能性もあることを念頭に置いて、しっかりと娘さんの話を聞いてくださればと思います。
そして、生理痛やPMSに対してどのように対処するかというのも、お母さん世代の経験と、現在のスタンダードではかなり異なります。「私のころは多少体調が悪くても我慢して学校に行ったものだ」という「自分バイアス」は持たず、まずは話を聞く、そして困っている本人の立場に立ってみて、かける言葉を選んでください。その上で、治療へのアクセスなど、前向きな対策を一緒に探してみていただければありがたいです。
(構成/長瀬千雅)