実際に、娘が学校を休みがちなことを心配した親が、体調不良のタイミングと生理のタイミングに関連があることに気づき、婦人科で治療を始めたところ、学校を休まず通えるようになったという例もあります。
生理痛やPMSといった、生理にまつわる不調を放っておかないでほしいのは、からだやこころがつらいという目の前の困りごとのほかにも、未来においていろんなデメリットを生じさせるからです。
まず、学校に通う年代の女性の生理痛が重い場合、そうでない女性と比べて、学校を欠席する回数が増えることが、有意な差をもって報告されています。欠席の回数が増えれば、授業についていくことが難しくなるかもしれませんし、学校の成績が下がることにもつながるでしょう。
学業以外にも、重い生理痛が家族や友人との関係に良くない影響を及ぼすことも知られています。学校を休みがちになると友だちとの関係をうまく築けないというのは想像しやすいでしょう。
家庭内では、娘さんの側からすると、自分がつらい状態を訴えたときの対応によって、家族に対して不満が残ります。一方、家族の側からすると、娘さんのつらさが理解できず「生理痛ぐらいで学校に行かないなんて、なまけてるんじゃないの」という気持ちが生まれることもある。そうすると、お互いに相手に対する信頼が損なわれてしまうという悪循環が生じてしまいます。