2016年に“当て逃げ”で謹慎したNON STYLEの井上裕介は約100日で復帰した

お見送り芸人しんいちやみなみかわの名前も

 一方、藤本の活動自粛は「若手にとって大チャンス」と言うのは、民放キー局のプロデューサーだ。

「バラエティーの現場で今、フジモンさんの穴埋めが急務になっていることは、若手にとっては大チャンスと言えるでしょう。例えばお見送り芸人しんいちは、相手が本当に隠していることを嘆きながら暴露するという新たなイジリ芸を模索中ですが、より磨き上げれば新たなガヤ芸として昇華できる可能性を秘めています。対抗馬としては、所属事務所の松竹の悪口を言い続けることでのし上がってきた、みなみかわ。バラエティーの平場でも安定感が出てきたので、松竹芸人だけでなく、全方位的の悪口をガヤっぽく投げかけてみると、さらなるブレークにつながるかもしれません」

 2016年に同じく当て逃げ事件を起こしたNON STYLEの井上裕介は100日強の謹慎を経て復帰しており、それをベースに考えると、藤本の復帰は来年2~3月頃になるのではと言われている。

 お笑い評論家のラリー遠田氏は、ガヤ芸人についてこう述べる。

「ガヤというのは、バラエティー番組の盛り上がりを支える縁の下の力持ちのような存在。絶対に不可欠というわけではないけど、制作者にとってはあると助かるものです。ガヤの内容が面白ければ、MCがそれを拾ったり、ディレクターが編集で生かしたり、テロップを入れたりすることで、それを際立たせることもできます。藤本さんは実質的にガヤ芸人界の頂点のような存在であり、それに並ぶ人材は下の世代ではほとんど見当たりません。藤本さんに近いガヤ能力を持っている芸人として思い浮かぶのは、有吉弘行さんやアンタッチャブルの山崎弘也さんですが、どちらもすでにMCクラスの大物であり、ガヤを言う立場に回る機会はそれほど多くありません。藤本さんの抜けた穴はそう簡単には埋まらないので、活動再開を待つしかないでしょう」

 謹慎によってフジモンの実力が知らしめられたというのは、何とも皮肉である。

(藤原三星)

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