午後10時を過ぎると、さらに周辺は熱気を帯び、大声や奇声があちこちで上がるようになってきた。路上には酒の空き缶が放置され、割れた瓶の破片も目立った。
広場の真ん中ではダンスパフォーマンスが始まり、歌舞伎町タワーの前には特大のスピーカーを搭載した車が停車して重低音の音楽を流していた。さながらクラブハウスのような盛り上がりだ。
やがて警察官が来て、音楽はストップ。周りからブーイングも起きたが、大音量の音楽を流しながら車は去っていった。警察官によると、「爆音で音楽を流している」と苦情が入ったのだという。
「変化」した今年のハロウィーン
この日の夜の歌舞伎町は、ふだんよりも人出が多かったようだ。
「普段の平日の6倍くらい、土日の3倍くらいの賑わい」
キャッチをしていた女性は、そう話す。店頭で仮装グッズを売っていたドン・キホーテの店員も、
「普段の2倍は軽く来ている。特に外国人にピカチューのコスプレが人気」
と声をはずませた。
一方で不安の声も聞かれた。
新宿の街を長年撮影してきたという写真家の男性(76)は、
「異常な人の量。来年までに対策をしないと、渋谷の二の舞になる」
と話す。囚人のコスプレをした女性は、
「渋谷よりも新宿のほうが楽しめたけど、お酒も入っているし、人が増えると危険も感じる。もっとコスプレが楽しめるようになるといい」
と語った。