「もしかしたら、レトロのポップで原色っぽい感じは、韓国系に近いかもしれません」
世界的にヒットしたBTSのDynamite(2020年)のミュージックビデオは、1970年代風とされる。ディスコ、レコードショップで、ドット柄のシャツなどのレトロファッションを身にまとい、話題に。韓国でも、レトロが流行しており、「ニュー」と「レトロ」を合わせて、「ニュートロ」とも言われている。ちまたでも、ドット柄、ミニスカートなどのレトロファッションがはやっている。
西武園ゆうえんちマーケティング部・支配人の高橋亜利さんは、「昭和の世界観」がヒットする理由をこう考える。
「60年代の世界観が、非日常なのだと思います」
その時代を知る世代には、懐かしい。知らない世代にとっては、映画の世界に入ったような新鮮さがあるというわけだ。
なぜ60年代なのか。高橋さんは言う。
「復興していこうと、人々に活気があった時代でした」
遊園地リニューアルの構想を練り始めたのは2017年。NHKの朝ドラ「ひよっこ」をはじめ、60年代以降を舞台としたドラマがヒットしていた。
「でも60年代の街を作るのが目的ではなく、心温まる幸福感に包まれる世界を作りたかったんです」と高橋さん。懐かしさに浸って、幸せになってもらいたいと願いを込めたという。(編集部・井上有紀子)
※AERA 2023年11月6日号より抜粋