6連勝の泉氏のもとには、今も全国20ほどの首長選挙を控える候補予定者らから支援要請が入っているという。自民、立憲民主、維新、無所属と政党も違うそうだ。

「ちょっと偉そうになりますが、ありがたいことに『泉房穂ブランド』が浸透してきたような感じがあります。ただ、明石市、所沢市と実績を残してきたので、ちょっと休みつつ、今度応援に行こうと考えているのは、人口規模が50万人を超えるような大きな首長選です。そこでさらに実績を作りたいと思っています」

 そして、何より注目されるのは、泉氏自身の政界への復帰だ。

兵庫9区なら西村経産相との闘い

 泉氏の地元は衆院兵庫9区(明石市、淡路市、洲本市、南あわじ市)だ。自民党の西村康稔・経済産業相が7期連続で当選している選挙区だ。AERA dot.で報じたが、ふるさと納税で全国トップクラスの78億円の寄付を得ていた淡路島の洲本市で不正が発覚し、第三者委員会や百条委員会が設置され、大きく揺れている。

 ある洲本市民は、

「西村氏は大臣で偉いのかもしれないけど、自民党らしく、市長や地元の有力者、特定の企業ばかりに目が向いて、洲本市民からするとまったく役に立っていない。泉さんが兵庫9区で出馬してくれたら、という市民はわんさかいます」

 と期待を込めて話した。

 そのことを泉氏に聞くと、

「選挙に出てくれという人はたくさんいます。けど私は、総監督として主演男優、主演女優を連れてきて、選挙を戦う役割を演じたいと思っている。解散・総選挙となれば、今まで政治をやっていない市民派の知名度ある人、X(旧ツイッター)でフォロワー100万人を超すような人を何人か出して、そういう人を先頭にして戦いたい。具体的な名前がないわけではありませんが、今はやめときますわ」

 と「暴言王」の異名をとる泉氏にとっては珍しく、慎重だった。

(AERA dot.編集部・今西憲之)

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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