阪神の1番打者の近本光司。復調するか。

――ペナントレース後半は、それぞれ「第2捕手」の坂本誠志郎、若月健矢がチームを牽引しました。

野田 2人ともインサイドワークにしても盗塁阻止にしても、梅野隆太郎や森に遜色ない技術を持った捕手だと思います。

「強力投手陣」vs.「阪神1・2番打者」「森」

――1985年以来38年ぶりの日本一をめざす阪神の岡田監督。2年連続最下位から3年連続リーグ優勝、そして2年連続日本一を狙う中嶋監督。こちらも対照的な対決です。

野田 そうですね。裏の裏まで読む岡田采配。前回阪神監督時の2005年日本シリーズの雪辱はもちろん、オリックス監督も務めていただけに(10~12年)、特別な感慨があるのではないでしょうか。(編集部注:05年の日本シリーズ対ロッテでは、第1戦1-10、第2戦0-10、第3戦1-10、第4戦2-3。打線が沈黙し、ストレート負け。ジェフ・ウィリアムス、藤川球児、久保田智之のJFKをそろって使えたのは第4戦だけだった)

 そして、選手起用がズバリ当たって「マジック」と呼ばれる中嶋采配。どちらの采配も見ごたえがあります。

 ただ、このシリーズは先述の繰り返しになりますが、あくまでそれぞれの「強力投手陣」vs.「阪神1・2番打者」「森」の構図だと思います。あえて勝敗をつけるなら4勝3敗でオリックスの日本一でしょうか。ただ、双方ともにとにかく投手陣がいいので、途中、連勝したからといって、その勢いで覇権を握るということにはならないと思います。

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勝ち抜いてこそ踏めるひのき舞台