オリックス打線の鍵を握る森友哉

どれだけ出塁できるか

――打線は、オーダーを固定して戦う「岡田彰布・阪神」、好調な選手を日替わりオーダーで起用する「中嶋聡・オリックス」。対照的なチームカラーです。

野田 クライマックスシリーズのファイナルステージもペナントレース同様の数字が表れていました。

 1番・近本光司、2番・中野拓夢はともに11打数1安打、4番・大山悠輔、5番・佐藤輝明はともに打点0。チーム打率1割台ながら3試合計14四球でつないだ阪神。木浪聖也、森下翔太の「伏兵」がラッキーボーイ的存在になりました。

 オリックスはそれなりに打線が活発でした。杉本裕太郎、宗佑磨が4試合でそれぞれ計6安打。第1戦で紅林弘太郎、第3戦で代打・頓宮裕真がタイムリー、第4戦で森友哉が先制本塁打を放ちました。

 そう考えると、アベレージヒッターのいやらしい阪神1・2番打者が復調して、どれだけ出塁できるか。ともに盗塁王経験者がオリックス投手陣を揺さぶって、森下・大山・佐藤輝という一発を秘めたクリーンアップにつなげます。逆に、1・2番打者が封じられると厳しくなります。

 オリックスはペナントレース終盤に左足甲を疲労骨折した首位打者・頓宮、左足首を痛めたファイナルステージMVPの杉本、左手首違和感の紅林の回復具合は気になるところ。そんななか、ペナントレースでは随所で決勝打を放った勝負強い森。捕手、ライト、DHのどのポジションで出場するかは別にして、3番か4番を打つ森がやはりオリックス打線の鍵を握るのは間違いありません。

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双方ともにとにかく投手陣がいい