
「力を持った人間」に従う傾向
ヤメ検というキャリアの問題も指摘する。郷原氏は「検察という組織は絶大な権力をもっているため、力をもった人間、上司や検察幹部の意向に従う傾向がある」としたうえで、こう話す。
「そういう組織で教育を受け、経験を積むと、『長いものには巻かれろ』という考え方になりがちです。日本では、本来独立して職務に当たるべき立場の裁判官も、そういう傾向の人が多い。弁護士に転じてからも、クライアント個人の意向に最大限に応えようとする姿勢につながるのではないでしょうか」
今は、企業が不祥事を起こすと、弁護士が危機管理を担ったり、第三者委員会に参加したりすることが増えてきた。
「弁護士は、企業のニーズに十分に応えられているのでしょうか? 弁護士が危機管理のプロとして評価されるため、検察官、裁判官出身者の活用のあり方を含めて、考えるべき時期に来ていると思います」(同)
(井荻稔)