日大の林真理子理事長(左)と澤田康広副学長(右端)(撮影/唐澤俊介)

“ヤメ検”弁護士はどこで間違えたのか

 では、なぜ澤田氏はあれだけ批判されるような態度を取ったのか。同じ“ヤメ検”の郷原信郎弁護士は、今年8月、AERA dot.の取材にこう答えている(「元ヤメ検の日大副学長『澤田康広氏』の態度が横柄なワケ」)。

「現役の検察官や検察OBには、よく見られる態度です。巨大な権力を持っているのは検察という組織であるにもかかわらず、『自分も強大な権力を持っている』と勘違いしてしまう」

 一方の木目田氏はどうか。郷原氏は、自身が執筆した記事「ジャニーズ事務所・会見、“危機対応”において『不祥事』が発生した原因とは」(YAHOO!ニュース個人・10月10日)で、木目田氏が検察時代の“後輩”だったと明かした。

「私の検事時代の後輩であり、弁護士となってからも業務上で関わりがあった。検事として法務官僚として有能で、その経験・能力を、企業法務、株主総会対応、危機管理業務等の弁護士業務で発揮してきた」

 とはいえ、郷原氏が有能と認める木目田氏でさえ、ジャニーズ事務所の危機管理には失敗したと言わざるを得ない。2人の“ヤメ検”弁護士はどこで間違えたのか。改めて郷原氏に話を聞いた。

「第三者委員会は中立・独立であることが求められますが、危機管理担当の弁護士は、クライアントを守る責務があります。マスコミや世論の批判を受けとめ、彼らの疑問を解消し、誤解を受けていれば、それを正していく必要があります。分かりやすい表現を使えば、依頼主が“炎上”しないよう全力を尽くすのです。そして残念なことに、日本大学もジャニーズ事務所も激しく炎上しました。この1点において、澤田副学長も木目田弁護士も危機管理に失敗したと指摘せざるを得えません」

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木目田氏がすべきだったこと