なでしこジャパンの清水梨紗
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 今夏に行われた女子サッカーW杯で、女子日本代表“なでしこジャパン”はベスト8敗退となった。次なる戦いは、2024年夏のパリ五輪(7月26日~8月11日)。果たして上位進出、そして優勝の可能性はあるのか。

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 改めて女子W杯オーストラリア&ニュージーランド大会を振り返る。グループリーグ初戦でザンビアを5対0、第2戦でコスタリカに2対0で勝利して勢いに乗ると、第3戦では最終的に大会を制したスペインを相手に鮮やかなカウンターが炸裂して4対0の快勝。大会1週間前まで日本での放送が決まらないなど、チームに対する注目度、期待度ともに高いとは言えなかった状況を、ピッチ上での魅力的なサッカーと3試合11得点無失点という圧倒的な結果で一変させてみせた。

 続く決勝トーナメント1回戦では、ノルウェーを3対1で下してベスト8進出。だが、2011年ドイツ大会以来の優勝への期待感が高まった矢先の準々決勝で、当時FIFAランク3位(日本は11位)の強敵スウェーデンに1対2の惜敗。日本が苦手とする高さとパワーに後手を踏む形で2ゴールを許すと、終盤に反撃するも1点どまり。結果的に“昔見た景色”を再び見ることはできなかった。だが、大会を終えた後、ファンの心を残ったのは「希望」だろう。もちろん「悔しさ」や「落胆」といった感情はあったが、それ以上にチームの今後の成長と可能性を多くの者が感じたはずだ。

 何より、若い。今大会の招集メンバー23名中、30代は主将のDF谷紗希(33歳、ローマ)のみ。さらに、中盤でコンビを組んだ長谷川唯(26歳、マンチェスター・シティ)、長野風花(24歳、リバプール)の2人に、DFラインの南萌華(24歳、ローマ)、右サイドの清水梨紗(27歳、ウェストハム)らが、人気実力ともに急上昇した欧州女子サッカーリーグでプレーしており、大会後には宮澤ひなた(23歳、マンチェスター・ユナイテッド)もW杯得点王の実績を引っ提げて海を渡った。男子サッカー同様、海外組の増加は、世界大会で必要な球際の強さ、精神面も含めたタフさの向上につながり、代表チームを間違いなく強くする。

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若い新戦力の台頭も…