【20m超から飛び込むハイダイビングとは?】
男子は27mから、女子は20mという高さから飛び込み、演技のダイナミックさと入水の美しさを競う競技がある。それが、ハイダイビングと呼ばれるスポーツだ。
世界水泳連盟(World Aquatics)の正式種目として世界水泳選手権に取り入れられたのは、2013年のスペイン・バルセロナ大会から。実はそれ以前から、ハイダイビングは断崖絶壁から飛び込むエクストリームスポーツとして欧米では行われてきたスポーツだった。
2009年からはレッドブル主催の『クリフダイビング』という名称で世界を転戦するシリーズが開幕。世界各地、見た目にも美しいロケーションを回って行われることと、人が飛び込むとは思えないほどの高さから行われるダイナミックな演技に人々は魅了され、いつしか人気エクストリームスポーツの一つとして認識されるようになった。
たとえば、ドバイで行われた際には日中ではなく夜の開催となり、きらびやかな照明のなか、選手たちが高さ20m以上の飛び込み台から次々に飛び込む姿は圧巻であった。
日本でも過去に2回、クリフダイビングが開催されている。1回目は、和歌山県・三段壁で2016年に開催。2回目は今年8月、宮崎県・高千穂峡で行われた。数々の神話と伝説に彩られた美しい川と滝が魅せる水のきらめきに加え、深々とした緑が映える自然を舞台にした競技は見応え十分であった。
そんなハイダイビングという競技に、日本で唯一の選手としてチャレンジを続けているダイバーがいる。それが荒田恭兵である。
【エクストリームスポーツに見い出した第二の選手人生】
荒田は元々飛込選手として高校までは地元の富山県・高岡で活動し、インターハイの高飛込で3位にも入った選手だ。さらに日本体育大学に進学後も飛込競技を続け、4年時の2017年には、日本選手権で男子10mシンクロ種目で遠藤正人という選手とともに優勝を飾った経験を持つ。