日本でも、災害などが発生したとき、SNS上でフェイクニュースが拡散した事例がある。2016年の熊本地震のときには、「動物園からライオンが逃げた」という事実に基づかない情報が写真とともに投稿され、拡散された。
生成AIで「水没」画像
インターネットやSNSの隆盛により、フェイクニュースがより拡散され、社会に深刻な問題を引き起こすようになってきた。更に、近年このフェイクニュースを取り巻く環境に、生成AIの出現により大きな変化が起きているとの指摘がある。
ネットメディアに詳しい国際大学グローバル・コミュニケーション・センターの山口真一准教授は、「現代は『withフェイク2・0時代』」と話す。
「これまでは技術を持っている個人や組織しか高度なフェイクニュースを作ることができませんでした。しかし、生成AIの出現により、誰もが違和感のないフェイクニュースを簡単に発信できるようになりました」
実際、日本でも生成AIを悪用したフェイクニュースが拡散された。
2022年9月、静岡県を大型の台風が襲った際、「ドローンで撮影された静岡県の水害。マジで悲惨すぎる…」という文章に、水没する街の写真3枚をつけた投稿がなされ、いいねとリツイート合わせて約1万1千以上のリアクションがあった(今月13日時点)。しかし、投稿された写真はすべて画像生成AIで作られた偽画像だった。バズフィード(当時)もこの投稿を「虚偽」(全て、もしくは根幹部分に事実の誤りがあり、事実でないと知りながら伝えた疑いが濃厚である)としている。