「鬼化」した不死川玄弥(左)と竈門禰豆子(画像=コミックス「鬼滅の刃」11巻、13巻のカバー)
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【※ネタバレ注意】以下の内容には、今後放映予定のアニメ、既刊のコミックスのネタバレが含まれます。

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鬼の始祖・鬼舞辻無惨(きぶつじ・むざん)を倒し、平和な世界を取り戻すために戦う鬼狩り集団・鬼殺隊(きさつたい)。しかし、この中に「鬼の力」を使って戦う2人の人物がいる。竈門炭治郎の妹・禰豆子と、風柱・不死川実弥の実弟である玄弥だ。完全なる鬼ではないものの、ふつうの人間にも戻れない2人は、時に、自分の中に存在する「鬼の力」に振り回される。それでも戦い続けたのは、兄やきょうだいへの無償の愛からだった。「鬼」と「人間」のはざまで苦悩しながらも、“きょうだい愛”を貫いた禰豆子と玄弥の思いを振り返る。

*  *  *

鬼になってしまった“妹”

鬼滅の刃』は人間と「人喰い鬼」との戦いの物語である。「はじまりの鬼」である鬼舞辻無惨の血液が体内に入ると、それに適合できた者は鬼になってしまう。鬼になった人物は、理性を失って凶暴化し、周りの人間を喰おうとする。

 炭焼きの少年、竈門炭治郎の妹・禰豆子は、ある日、無惨に襲われて鬼になってしまった。禰豆子は炭治郎とともに、「人間としての生」を取り戻すための旅に出ることになった。

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植朗子

植朗子

伝承文学研究者。神戸大学国際文化学研究推進インスティテュート学術研究員。1977年和歌山県生まれ。神戸大学大学院国際文化学研究科博士課程修了。博士(学術)。著書に『鬼滅夜話』(扶桑社)、『キャラクターたちの運命論』(平凡社新書)、共著に『はじまりが見える世界の神話』(創元社)など。

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「なんで鬼と人間がつるんでるんだ」