統一教会の問題と同じように、ジャニーズでの児童虐待も、ジャニー氏に子どもを預けた「家族の問題」として認識され、刑事事件として動きにくい背景があったと思います。
――二つの問題の追及が甘かったことについてはどう思われますか。
メディアとジャニーズ事務所の癒着のような関係は事実としてあると思いますが、より本質的な問題として、問題が発覚したあとに、ジャニーズ事務所に警察が入らなかったことの検証は必要だと思います。
つまり、ジャニーズが警察など行政と強いつながりを持っていたために、警察の介入を許さなかったのではないか、ということです。
ジャニーズ事務所はそのタレントを「1日警察署長」「○○大使」を務めさせるなどして広告塔として広い範囲で行政とのつながりをつくっていました。
ジャニー氏の性加害については、99年に週刊文春が報道しています。この報道を巡っては、民事裁判でしたが、東京高裁が性加害の記事の真実性を認めた判決を出し、2004年に最高裁で確定しています。
しかし、その後も、警察が動くことなく、ジャニーズ事務所は売り上げを伸ばし続け、その陰で被害が拡大していたわけです。
旧統一教会の場合は、政治との癒着の中で、警察が取り締まれない状況もあったのではないでしょうか。その結果、統一教会の問題もジャニーズの問題も50年以上放置される事態になりました。