個別株の整理・監理銘柄、株式投資信託やETFなどの「毎月分配型」「信託期間20年未満」「ヘッジ目的以外のデリバティブ運用(先物取引など)をするもの」は新NISA対象外となり、買えない

(16)毎月分配型の投信や毎月分配型のETFが好きな投資家も一定数、存在する。なぜ今回、いきなり対象外に?

「今回、全く新たな基準で毎月分配型を除外したわけではない。これまでのNISAで採用されていた基準を持ってきた形だ。

 まず、つみたてNISAの基準に『毎月分配型を除く』というものがあった。

 その後、令和2(2020)年度改正で、いわゆる『2階建てNISA』を作ったとき『2階建ての2階部分はどうするのか』という議論があった。

 そこで新たに出てきた基準が『日本株の整理銘柄、監理銘柄やヘッジ目的以外のデリバティブ商品を除外』だ。

 新しいNISAの成長投資枠は、つみたてNISAの基準と、2階建てNISAの基準を統合した形。つまり、これまで存在していた基準を持ってきただけであり、『いきなり対象外』ではない」(金融庁)

★一部で「金融庁と運用会社で不協和音」という報道もあったが、運用会社はこれまでの経緯を「素通り」しているように見える。

 金融庁に対して「もしかしたら、土壇場で毎月分配型が許可されるかも」という意図の問い合わせをしているケースもあるようだが、金融庁としては「新NISAで毎月分配型が投資可能になることは、ない」とのこと。

※新NISAで買えない金融商品に関しては、図を参照

「安定的な資産形成」に合わない

(17)毎月分配型やヘッジ以外の目的でデリバティブを使う投信、ETFが、つみたて投資枠はともかく、成長投資枠でも買えない(除外)のはなぜ?

「家計の安定的な資産形成に合う金融商品は何だろう、という考えが根底にある。

 その意味で、毎月分配型やヘッジ以外の目的でデリバティブを使う商品は合わないという結論になった。

 毎月分配型やヘッジ以外の目的でデリバティブを使う金融商品などを買いたいなら、課税口座で自由に投資していただきたい」(金融庁)

★毎月分配型は必ずしも利益の一部を分配しているわけではなく、元本を切り崩して無理やり分配に回しているケースもある。

 ヘッジ以外の目的でデリバティブを使う商品は値動きからして「安定的」とは言いがたい。

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2024年からの新NISAの呼び名は?