金融庁の正しい回答で新NISAの疑問が少し解消(撮影/編集部・中島晶子)
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2024年からはじまる「新しいNISA」の疑問を金融庁に取材した「新NISAのQ&A」後編。公式資料に書かれていない「気になる疑問」や「新NISAの裏側」がスッキリわかる。アエラ増刊「AERA Money 2023秋冬号」より。

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本記事は「疑問」「回答」「★本誌補足説明」の構成でお送りする。

(10)なぜNISAの制度を恒久化(いつまででもNISA口座を開設&非課税投資ができる)したのか?

「これまでは延長の形をとっていたが、恒久化により腰を据えた長期の資産形成をしていただきたいという願いからだ」(金融庁)

★「どうせ将来的には変わるんじゃないの」などといういじわるな意見も聞こえるが、恒久化というのは法律的にも重い話である。

 コロコロと気軽に変えられるものではないと聞き、改めて安心した。

恒久化への反対意見

(11)NISAの制度を恒久化することに反対意見は出なかったのか?

「最初から全員賛成だったわけではない。

『一般NISA、つみたてNISAは時限措置のため、その期間内で効果を検証できたが、恒久化するとそれができなくなるのではないか。検証できないと、具体的なデータに基づき制度を改良したりすることが難しくなる』という意見もあった。

 ただ、今後、効果検証をしないわけではない。定期的に検証していく旨が税制大綱にも示されている」(金融庁)

(12)そもそも最高1800万円という金額になった理由は?

「新しいNISAに関しては金融庁から要望を出さず、国として金額を決めていただくよう、お任せした。その結果1800万円という金額に決定した」(金融庁)

(13)非課税保有限度額1800万円。「こんなに多額の投資ができる人は少ない。富裕層優遇では?」という意見にはどう答えるのか。

「国会でもこれは聞かれた質問だが、1800万円まで投資をしなければならないわけではない。

 自由度を持ってもらうために1800万円としている。

 むしろ富裕層優遇と言われないために、あえて上限を設けている。際限のない優遇を防ぐためだ」(金融庁)

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成長投資枠は金融機関へのサービス枠?