巨人・二岡智宏二軍監督の手腕に対する評価が高まっている。来季は一軍のコーチに昇格すると見られているが、その先には指揮官就任の可能性もあるという。
今季の巨人は71勝70敗2分けと勝ち越したもののBクラス(4位)に終わった。原辰徳監督が3年契約2年目の今季限りで退任し、阿部慎之助新監督が誕生することとなった。コーチ陣の組閣を含め来季へ向けて動き始めている。
「水面下はかなり慌ただしい。本来なら原監督が契約期間をまっとうする予定だった。しかし世論を中心に原監督への逆風が想像以上に強く、予定変更を余儀なくされたため準備不足は否めない」(巨人担当記者)
「辞任します。若い新しいリーダー、阿部慎之助君にチームを託そうと、そういう決断をしました」(原監督)
10月4日、DeNAとの今季最終戦後のセレモニーで指揮官自らが公式発表を行った。3年連続で優勝を逃した上、同一監督としては球団史上初となる2年連続Bクラス。9月29日には山口寿一オーナーが、「来季のことは真剣に考えないといけない」と“事実上の解任”を示唆する発言もしていた。
「阿部新監督も来年から指揮を執るとは思っていなかっただろう。コーチ陣を含めて全くの白紙状態だったので相当慌てていると思う。その中で真っ先に決めたのが二岡二軍監督の一軍コーチ昇格だったと言われている」(在京球団編成担当者)
二岡二軍監督は就任2年目で二軍を5年ぶり28回目の優勝に導いた。124試合で74勝44敗6分けの貯金30という、ずば抜けた成績に加えて若手育成についても高評価を得ている。
「二軍戦でも勝敗にこだわり1点を大事にする野球を行った結果が貯金30に現れた。『ここにいる選手は来年一軍で活躍して欲しい』と優勝インタビューで語ったように育成も重視した。勝利と育成を両立できる指揮官として評価は高い」(巨人OB)
二岡二軍監督は現役時代は正遊撃手として活躍、2000年にはリーグ優勝を決めるサヨナラ本塁打を放つなど勝負強さが光った好選手だった。しかしグラウンド外での女性問題や故障が重なったことで2008年オフには日本ハムに移籍、2013年限りで現役引退した。