一つ目は、次の選挙でも当選が確実視されている点だ。細田氏の選挙区は島根1区。島根県は自民党が強い保守王国だ。細田氏が次の選挙で立候補しても当選は確実と見られている。
二つ目は「議員特権」だ。
国会議員の高給・優遇はこれまでも国民から批判を浴びてきた。給与(歳費)は月額約129万円、ボーナス(期末手当)は年間約600万円で年収は2200万円程度になる。
さらに“第2の給与”と呼ばれる「調査研究広報滞在費」(旧文書通信交通滞在費)が毎月100万円、“第3の給与”と呼ばれる「立法事務費」が毎月65万円ももらえる。いずれも非課税で、領収書がなくても使えるものだ。給与(歳費)とあわせて4千万円を超える金額になる。
議員の“うまみ”たくさん
そして国会議員には、新幹線のグリーン車を含め無料でJRに乗れる「特殊乗車券」(JRパス)や、最大で月4回まで選挙区と東京を往復できる「国内定期航空券」がある。ほかにも、東京都港区赤坂などの一等地にありながら、相場と比べて格安で入居できる「議員宿舎」や、秘書3人までを雇用できる「秘書手当」もある。
尾藤さんはさらにこう付け加える。
「細田議員のクラスになると、政党交付金や政治献金も多いと見られます」
細田氏が代表を務める「自民党島根県第一選挙区支部」と「通商産業エネルギー政策研究会」の政治資金収支報告書(2021年分)を見ると、寄付金収入は約2100万円、政治資金パーティーの収入は1100万円、党本部からの収入は約2700万円に上っている。
5万円以下の寄付や、政治資金パーティー券を購入してもらった場合の20万円以下については収支報告書に記載しなくてもいいため、「実態はもっと多いはず」(尾藤さん)。
こうした“うまみ”がある限り、なかなか議員は辞められないということだろう。
ちなみに、細田氏は昨年5月にあった自民党参院議員の政治資金パーティーで「議長になっても毎月もらう歳費は100万円しかない」などとあいさつして、批判を浴びている。
現役続行に意欲を見せる細田氏の思惑について尾藤さんはこう指摘する。