「入院もしていますので、体調が万全ではないというのは本当なのでしょう。一方で、自身のセクハラ疑惑や旧統一教会との関係、議長でありながら衆院小選挙区の『10増10減』に否定的な見解を出して批判を集めるなどしていましたから、議長を退任することで“みそぎ”を済まそうとしているのではないでしょうか」
そして、党内政治への影響力を残す意味もあるようだ。
「安倍派や菅氏に近い人物なので、岸田包囲網をつくるにあたり、動きやすい立場になる狙いもありそうです。議長辞職後にどの会派に属し、どのような役職を得るのか注目しています」(尾藤さん)
安倍派の衆院議員がこう打ち明ける。
「松野博一官房長官ら政府高官は細田氏と会っています。『まだやらねばならないことがある。選挙は出る。議長を辞めての出馬はなんらおかしなことはない』と意気軒高だそうです。派閥としては旧統一教会の問題や年齢のこともあり、“お引き取りを”という空気ですが」
後任の議長は
一方、細田氏の後任の議長はだれになるのか。
自民党内では、当選回数などから額賀福志郎元財務相や二階俊博元幹事長らの名前が挙がっているというが。
「二階氏は十分な資格はありますが、議長になれば二階派のボスとして派閥にかかわれないので、乗り気じゃないと思います。衆院議長をやりたいベテラン議員は数多くいます。候補にあがっている人はそわそわしていますよ。だけど、自分から手を挙げて就くものじゃないので、ジッと我慢するしかない」(自民党の閣僚経験者)
各紙の報道によると、細田氏は13日に都内で記者会見するという。「議長辞任、議員継続」について述べるとみられる。当然、旧統一教会とセクハラ問題についても説明するのだろう。
(AERA dot.編集部・今西憲之、吉崎洋夫)