細田氏は総務会長や幹事長、官房長官などを歴任し、2014年からは最大派閥の清和政策研究会(現・安倍派)の会長を7年にわたって務めた後、議長に選ばれた。
細田氏といえば、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との深い関係が問題になっていた。2019年に旧統一教会の韓鶴子総裁とともに会合に出席した際には、
「(旧統一教会の会合の内容を)早速、安倍総理に報告したい」
などと発言。少なくとも8回、旧統一教会の会合に出席していたことがわかっている。
今年1月、与野党の代表者を呼んで説明をした際には、
「『安倍元首相に報告』という発言は『リップサービスだった』と言い、実際は報告などしていないということだった。『銃撃事件後、旧統一教会がこんな教団だと報じられて驚いた』『議長なので、特定の団体について公開の場で語るのはよくない』『選挙で具体的な応援、票のことなどで問題になるようなことはない』と話していた」
と出席者の一人は話す。昨年から今年にかけて細田氏と話したときは、
「議長というのは、何倍もたたかれる」「周囲に人が多くて、どんなことで騒がれているのかよくわからない」
と嘆いていたという。
地元でも説明つかない
細田氏のスキャンダルはまだある。女性記者へのセクハラがあったと週刊文春に報じられ、「事実無根」と否定しながらも、オープンな場では説明していない。
そうしたなかでの議長辞任の知らせに、自民党のある島根県議は、
「細田先生が議長を辞めると聞いて、つまり政界引退、島根1区の後継者を探さねば、となります。地元でも『議長辞めます、選挙には出ます』では説明がつきません」。
体調も崩し、80歳間近。後進に道を譲らず、席に居座る理由はなんなのか。
元国会議員秘書で政治評論家の尾藤克之さんは、細田氏が議員辞職しない理由を二つ指摘する。